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DeadBase 93: The Annual Edition

DeadBase 93: The Annual Edition

Author: John W. Scott, Stu Nixon, Mike Doigushkin

(DeadBaseについては、こちらの紹介記事を参照願います)

DeadBaseには、3種類のシリーズが存在する。
1つ目は"DeadBase XI"としてこのサイトでも紹介したいわゆる通年版。65年頃のショーからその時点までの最新ショーのセットリストを網羅したものだ。主にショーごとのセットリスト(Song Lists)、曲ごとの演奏日の一覧(Every time Played)、各ショーのレビュー(Reviews)などで構成されている。1999年までにシリーズとして11冊が出版されているが、個人的には、XかXIのどちらかを押さえておけば、それ以前のものを探し出す必要はないと思う。
2つ目は、通年版の中から、セットリストの部分だけで編集された小型版の"DeadBase Jr."だ。通年版はA4サイズで500ページをゆうに超えてしまうため、携帯性を考えて小型版のジュニアが発売された。A5サイズで280ページのジュニアは薄めのペーパーバックサイズのため、確かに携帯しても苦にはならない。バンドが95年に活動を休止してしまったため、シリーズ化されることもなく、1冊が販売されただけに終わっている。
そして3つ目がThe Annual Editionという単年度版である。これは88年から93年まで計6冊がシリーズ化され、出版されている。
「通年版があれば単年度版は要らないじゃないか」というのはもっともな話である。いかにマニアといえども、それはやりすぎではないか?と誰しも思うだろう。ただ、この単年度版には、ここにしかない、執拗なまでの分析がこれでもかと書かれている。
まずその年に行われた全てのショーの演奏時間と演奏曲数の比較。同様に1stセットの曲数と演奏時間数の比較、2ndセットの比較(2ndセットではDrumz以前とDrumz、Drumz以降の時間も分類の対象だ)。ショー単位での曲ごとの演奏時間の記載。その比較。時間の長い順、短い順。各ショー会場のキャパシティと実際の動員客数(ソールドアウトの有無)。チケットの写真と、ショーの写真。ファンからのアンケートの調査結果。そしてショーのレビュー。
なんというのか、「これでもか、これでもか、これでもか」という感じである(笑)。そしてバカみたいな話なのだが、そういうのをぼんやりと眺めていると、「あれなんでこの日の1stセットはこんなに短いんだろう」とか、「この日のDrumzは凄そうだな」とか、新しい興味がムラムラと涌いてくるのだ。個人的な結論を言えば、「探し出してまで(そして高い金を払ってまで)揃える必要はない。でも持っていても損はしないし、新しい発見は必ずある」ということだ。