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斉藤和義 ギターマニアと見るオフィシャル映像のあれこれ(1)

はじまりはじまり


自称ギターマニア(以下A)・「さあ、じゃあさっそく、YouTubeのオフィシャル動画を見ていきますか」
普通の斉藤和義ファン(以下B)・「いきなり始まりますね。なにかこう、こういうのをまとめておこうと思った主旨みたいなのは、最初に説明しなくていいんですか?」

A「うーん、まあそれを正直に話しちゃうと結構ね、他のあれこれの悪口みたいになっちゃうかもしれないので、その辺は、ぼちぼちと機会があれば。まあ先日書いたJ-45の見分け方のまとめが、いざ書いてみるとなかなか面白かったからというのが、無難な答えですかね」


斉藤和義 の Gibson J-45の簡単な見分け方 - NAVER まとめ


B「ああそうなんだ。じゃあ、それには触れずにおきますね。ではさっそく1曲目。YouTubeのオフィシャルチャンネルでは、1曲目は最新シングルの『ワンモアタイム』ですね」



斉藤和義ワンモアタイム 【MUSIC VIDEO Short】


B「どうですか?ギターマニアの立場から見たこのビデオの見どころとは?ちなみに、ここで使われているのはJ-45の1号機ですよね?」
A「うーん、まあ普通に見るとそうなんだけど、1号機と断言する前にいくつか疑問点がありますね」
B「と言うと?」
A「まず、そもそもミュージックビデオの撮影くらいに大事にしている1号機を持ってくるかな?という疑問が一つ。あとギターのクローズアップが少ないので、ピックアップのネジ止めが見えなくて確認出来ないこと。さらにサウンドホール周りの弾き傷がちょっと従来より少なく見えること。この3点かなあ」
B「細かいですね。ブリッジの向きやロゼッタ等を見ると1号機で間違いなさそうですけど?」
A「ただね、例のギブソンから出るJ-45タイプの斉藤和義モデル。そのプロトタイプの可能性もあるんだよね。でもプロトにしては、ヘッド部に『Kazuyoshi Saito』のロゴが無いし、そもそもピックアップが付けられてないのも変だし。ブリッジ側のストラップピンがちらっと見えるんだけど、これ未加工でしょ?プロトでわざわざピックアップ付けないなんて、何のためのプロトか分からないので、そこまで考えるとプロトじゃないのかなあ~と思えるんだよね」



未加工のストラップピンが見えます。


B「(うわー、めんどくせー)、えーっと、じゃあどうします?最初っから使用ギターは不明にします?」
A「いや、それは悔しいから、もうここは単純に考えたことにして1号機ということにしておきます。まあ間違えたら、また訂正するし。しかしなあ、そういうわけでこのPVを見る度に、なんだかモヤモヤするんだよなあ」
B「いや、なかなか良い曲で、良いPVだと思いますけど....。まあ先は長いので次にいきましょうか。2曲目はマニッシュボーイズの『天使とサボテン』ですね」



MANNISH BOYS/天使とサボテン【MUSIC VIDEO Short】


B「全体的に画面が暗いので、ギターが確認しにくいですね」
A「でもこれはギブソン社の1台目のシグネチャーモデル・KS-330TDだよ。曲の後半でビグスビーのアームをグワングワンしてるでしょ?」


ビブラート・ユニット - Wikipedia



右手がグワングワン


B「そんな映像ありましたっけ?ああ、ここですね。なるほど右手がグワングワンしてますね」
A「曲の最初でもビグスビーのブリッジらしきものが見えるしね。それよりも先日ネットを徘徊してて、この曲の印象的なイントロの『E(ミ)-B(シ)』の音だけど、これって、E音だけを弾いていて、5度上のB音は足元のピッチシフターで出しているらしいね。そう言われて改めて原曲を聞き直してみると、B音の出だしの音がいきなり最大音で鳴り始めるんだよ。ギターって弦をはじいて音を出すから、本来なら音量は山なりになっていて、最小音からぐわ~っと最大音になって、そこから段々と最小音、という風に聞こえるはずなのに、そうじゃないんだよね。B音はいきなり最大音なんだよ。成る程だよねえ。見てる人はちゃんと見てるんだね」
B「すいませんが、もう話の後ろ半分は聞いてなかったですよ。ギターマニアって、そんな変なことまで気にするんですか」
A「まあ変というか、そういう発見は楽しいじゃない?」
B「うーん。まあいいですけど。次もマニッシュボーイズですね。『Dark is Easy』」



MANNISH BOYS/Dark is easy 【MUSIC VIDEO Short.】


A「うん、良いよね、イントロのギターの音が好きだな。以上です」
B「あれ?それだけですか?ギターが何号機だ?とかの、答え合わせとかしなくて良いんですか?」
A「いや、まあその辺は見たら分かることだしね。それに実際のレコーディングでこの3号機が使われたとは限らないわけだし」
B「いや、それ言っちゃうと身も蓋も....(難しい人だなあ)。まあ分かりました。マニッシュボーイズ繋がりで、次を見てみましょう。これはアルバム発売記念の編集動画ですね」



MANNISH BOYS(斉藤和義×中村達也)/「Ma! Ma! Ma! MANNISH BOYS!!!」トレーラー


A「前半が白黒映像というのは嫌だな、あと、音はスタジオ盤からで映像はライブというのもね。でもこれすごく面白いね。最初に映るエレキギターフェンダー社のジャガーだよ。マッチングヘッドで色はサーフグリーンかな?。ローズウッド指板で状態も悪くなさそう。これね65年製だよ(※注記)」
B「え?そこまで分かるんですか?製造年まで?」
A「いやいや、種明かしをするとね、実はこれ、ギター雑誌で紹介されていたんだ。まあジャガーマニアでも無い限り、手元には状態の良いのが1本あれば十分だしね。同じ外観のジャガーを何本も持ってないだろうと思って65年製と言ったんだ。さすがに製造年なんて一瞥しただけで分かるもんじゃないよ」
B「なんだそういうことですか。でも製造年って、そんなに分からないものなんですか」
A「まあそのギターが手元にあれば、シリアルで絞り込むというのが定番だけど。きっちりやるんであれば、ギターをバラして各パーツごとの年代を調べていくんだよ。フェンダーは特にね、各パーツの取り替えが容易だから、古いものだとボディとネックが違うものの場合もあるしね。ネックだけを見ても、ネックデイトの有無、指板の貼り方がスラブかラウンドか、ロゴの形、ロゴ周辺のパテントNoの有無、ペグの製造メーカー、トラスロッドの形状、12フレット付近のポジションマークの幅などなど、それらを逐一確認した上で...あれ?聞いてる?」
B「ええまあ、一応....」



Fender Jaguar
(※注記:すいません、65年製は別のジャガーでした。このギターの詳細は不明です)


(※)2013年10月追記。
今月発売の「ギターマガジン」誌にて(2013年11月号)、このジャガーが写真付きで載っていました。ただ、編集部の解説記事には「63年頃」という曖昧な書き方しか載ってなかったので(多分ビンテージもので、カスタムショップ製ではないと思いますが)、依然として詳細は不明です。
ギター専門誌とは思えない曖昧な説明を、どうもありがとう(笑) >>ギターマガジン誌


A「まあそういう年式特定の方法は、ネット上でも参考書籍も一杯あるので、興味がある人なら誰だって」
B「いや、大抵の人は無いですよ。えーっと、映像の方に話を戻しますが、他にはどうですか?」
A「J-45はもういいかな。ああでも、ほらここ見て。ブリッジ側のエンドピン付近がちらっと見えるんだけど、ピックアップ用の出力が2つ出ているでしょ?雑誌の資料によるとね、この2号機のピックアップは確かに2種類組み込まれていて....(中略)、というわけなんだよ。面白いよね」
B「ええそうですね(棒読み)。他の楽器はどうですか?」



出力は2系統


A「『バカにすんなよ』で使われたのかな?ドブロタイプのギターが映っているね。資料によればこれはDobroのModel33になってるけど、俺、あんまりドブロは強くないので、この辺はスルーでお願いします」
B「そうですか、私もドブロに強いとか弱いとかの区分けがあるのは、初めて知りましたよ。ええ、ええ」
A「なんだか言い方が嫌味っぽいなあ。まあドブロはね、時間があればまた調べておきます。ドブロの写真集とかあるからね」



Dobro Model-33 かな?


A「あと、スチール写真風にちらりとテレキャスが映っているんだけど、これはCharさんの番組に出た時に紹介されていた57年製のあれかな?と思います。元々はエスクワイヤでフロント側のピックアップを増設した例のあれですね。それにしても、まあ確かに、テレキャスタイプはレスポールに比べて丈夫なんだけど、ツアーに57年製を持って出るというのはかなり勇気が要りますよね」
B「細かいことはよく分かりませんが、斉藤さんは男らしい、ということですね」



多分57年製のEsquire



Charさんの番組映像より。少し分かりにくいけど、傷の位置が一致しているので、おそらく同じものでしょう。


A「あと『ざまみふぁそらしど』で使われたウクレレでしょうね。メーカーは分からないけど、バンジョーヘッドの付いたウクレレでこれはカワイイですね」
B「楽器がカワイイという例えがよく分かりませんが、まあ確かに珍しい形ですね」
A「バンジョーを昔持っていたんだけど、あのボディ表面のバンジョーヘッドのおかげで、音がバンバン鳴るんだよね。おかげで夜中に練習できなくて、手放しましたけど。まあ、バンジョーウクレレは弾いたことがないけど、これも普通のウクレレより大きな音がするんだろうなあ」



バンジョーウクレレ。珍しい形ですが、実はAmazonでも普通に売ってます。同じメーカーではないと思うけど。


B「ギターマニアって、ギター以外の楽器にも結構手を延ばすんですね。えっと、動画を4つしか見てないんですけど、ずいぶん長くなりましたね。どうしましょう、一旦終わります?」
A「そうですね。まだまだ喋り足りないけど、キリがないので、一旦終わりましょうか。こういう話って需要があるのかな?まあ需要がありそうだったら、また後日、続きをしましょうか。では今日はこの辺で」
B「はい、ではお疲れ様でした」


続きのような


斉藤和義 ギターマニアと見るオフィシャル映像のあれこれ(2) - NAVER まとめ