本は読め読め

音楽好きの読書と買い物メモ

Deadbase XI : The Complete Guide to Grateful Dead Song Lists

Deadbase XI : The Complete Guide to Grateful Dead Song Lists

Authors: John W. Scott, Mike Dolgushkin, Stu Nixon

 

デッドが30年間に行った全てのショーの演奏曲目を記載した名物書籍。
その第11版にして現時点での最新刊。発行は1999年。

コアなデッドヘッズにとって実務レベルでバイブルとなる一冊。ある意味、持っていないと話にならない基本書でもあるのだが、インターネットによるオンライン検索が発達した現在となっては、ある種の役割は果たしたのかもしれない(ただし、その斬新な切り口は書籍版があってこそである)。

セットリストという単純な情報だけで、ここまで多角的な切り直しが行えるのかという驚きを猛烈に感じさせる一冊でもある。また、その斬新な切り口は、今でも多くのジャムバンドのセットリストを表現する際に受け継がれている。99年までほぼ年に1冊のペースで通年版が出版されていたが、99年以降の出版は無い。結局、このXI版がファイナル版ということなのだろうが、Grateful Deadは今も、The Deadとして活動を続けている。そうした活動を網羅する最新版の発売を切に願う次第である。

The American Book of the Dead : The Definitive Grateful Dead Encyclopedia

The American Book of the Dead : The Definitive Grateful Dead Encyclopedia

Author: Oliver Trager

デッドの百科事典といったところ。発行は1997年。

デッドに関するあらゆるマテリアル(歌・アルバム・人物)などを、ほぼ完全に網羅する。その情報量には圧倒させられる。
ただデッドに関する事件や文化的な背景(「"I Need A Miracle"と指を立てることは何を意味するか?」「Parking Lotって何だ?」)については、ほとんど書かれていないので、そういう基礎的な事象を確認したい人には"Skeleton Key"を初めにお勧めしておきます。

デッドが演奏するカバーソングのバックグランドや、関連アーティストの情報、各メンバーのソロ作品など、まさにデッド百科的な項目を調べる際に力を発揮してくれる。また各曲の説明の後に作者がお勧めする演奏日が書かれているのも面白い(賛成・反対の意見はあると思うが)。

事実と作者の意見が混在しているように感じる箇所が若干あり、そこが個人的には少しだけ気に掛かる。しかし労作であることは間違いない。入手も現時点では容易なので、興味のある方は早めに入手してください。

The Grateful Dead Reader

The Grateful Dead Reader

Edited by David G. Dodd and Diana Spaulding

デッドに関する記事を年代順に編集した書籍。発行は2000年。

デッドというロックバンドと、それを受け入れるアメリカという国の懐の深さを感じさせる良書。
インタビュー、コンサート評、小説からの引用、詩などなど、あらゆる時代のデッドについてのドキュメントを年代順に読むことが出来る。
編集、レイアウト、写真などについても、そのチョイスは素晴らしい。手ごわい文章も多いが、短めの文章が多いため、洋書初心者にもお勧め。

Dead Reckonings : The Life and Times of the Grateful Dead (The Companion Series) 

Dead Reckonings : The Life and Times of the Grateful Dead (The Companion Series) 

Edited by John Rocco

デッドに関する記事を集めた編集本。発行は1999年。

一部の写真がピンボケだったり、出来の良くないイラストが使われていたりで、何箇所かで首をひねらされる。

"The Grateful Dead Reader"を読んだあとでは見劣りがすることは確かだが、各種雑誌のインタビューなど、ここでしか読めないものもあるため入手しておいても損はない。また、"The Grateful Dead Reader"に比べて、幾分文章が読みやすかったり、デッドに関する基礎知識を必要としない文章が多いので、こちらの方が敷居は低いかもしれない。

A Long Strange Trip: The Inside History of the Grateful Dead

A Long Strange Trip: The Inside History of the Grateful Dead

Author: Dennis McNally

泣く子も黙るオフィシャル本。発行は2002年。

オフィシャル本にありがちな「触れてはいけない箇所(クスリ、メンバー間の対立など)」についても、どんどん書いてあるところが面白い。
読破するにはかなりの体力と時間、それに英語力(あるいは大き目の辞書)がいると思われる。

難を言えば、全体の配分が悪い点があげられる。80年以降の記述が端折りすぎ。

Between the Dark and Light: The Grateful Dead

Between the Dark and Light: The Grateful Dead

Photography of Jay Blakesberg 

Author : Jay Blakesberg Editor : Blair Jackson

デッド写真集。発行は2002年。

装丁、写真、レイアウト、そして添えられた文章に至るまで全てが美しい。まさに高級感ある美しい1冊。
デッドの全キャリアを網羅するものではないが、そこまで望むのはちょっと贅沢な話かもしれない。
序文の中でフィル・レッシュも言っているように、まさに音が聞こえてくる写真集である。お勧め。

What a Long, Strange Trip The Stories Behind Every Grateful Dead Song 1965-1995

What a Long, Strange Trip The Stories Behind Every Grateful Dead Song 1965-1995

Author : Stephen Peters

デッドが歌ったほとんどの歌について、そのバックグランドを語った資料本。Dupree's Diamond Bluesのヒントとなった新聞記事は何か?Blues For Allahは誰に捧げられたものか?などなど、あらゆる情報が貴重な画像付き(!)で紹介されている。

知っているようで意外と知られていない情報が満載。まさに痒いところに手の届くような1冊。ちなみに歌詞は掲載されていないのが個人的には不便ながら、この本は歌詞を十分理解した上で楽しむことが、大前提の書籍なのかもしれない。
歌詞の解説本なのに全ページカラーという贅沢さが嬉しい1冊。